takayukkkky’s diary

ジャンルも纏まりもないただの個人ブログ。マーケティングのこと中心に書いてます。

小さな声をキャッチする相談のあり方

大人も子どもも、厳しい困窮状況に置かれた当事者は、他の人に相談したり、助けを 求めたりできないことが多い。「自己責任」で解決すべきという風潮が強い中では、何 か困りごとがあっても周囲に相談できない場合も少なくない。自分の課題を相談しても よいのかと、ためらう人も多く、相談窓口で嫌な思いをすると、二度と足を運んでもら えなくなることもある。 こうした「相談の壁」があることに十分に配慮し、行政等の相談窓口など、いわば「構 えた」場所だけではなく、子どもが気兼ねなく利用することができる場所や保護者が普 段からよく利用している場所において、雑談等の中から打ち明けてもらったり、SNS 等を活用したりして、小さな声を拾い上げる工夫が必要である。 また、子ども自身が困難な環境に置かれていることを自覚していない場合でも、近所 で本人に接する人や地域の活動団体等、地域住民や多様な主体が、地域の社会資源を把 握して、重層的な支援体制により、子どもを支援先につないでいくことが大変重要であ り、人と人をつなぐ地域の担い手の育成や、地域の支援者に対する研修、地域住民自ら が支援者になり得ると意識できるような機会を提供することも必要となってくる。 さらに、子どもや保護者がSOSを発信したり、必要なときに誰かに頼ることができ る環境を整えることも重要である。ただし、子どもが小さいうちは、子ども自らが相談 に行くことは困難であるため、保護者が支援を求めることができない場合でも、行政等 が家庭に積極的に関わることが求められる。

4 子どもの自立に向けた切れ目のない支援と関係機関等の連携

子どもの貧困問題は、複雑に問題が絡み合っており、1つの機関だけでは対応できな いことが多い。すべての子どもが安心して成長し、自立していけるよう、子どもの支援 に係る関係機関が連携し、妊娠、出産を経て、乳幼児期から学童期、青少年期から若者 へと成長する過程で存在する支援の切れ目や、教育、福祉、医療、就労、住宅など、子 どもやその子どもを支える保護者の支援に関わる各分野の行政機関の間の切れ目を無 くし、子どもの自立に向けた継続的かつ包括的な支援を行っていく必要がある。

5 「支え手を支える」視点の重要性

子どもが健やかに育ち、自立に向けて成長していくためには、その環境を整えること が重要であり、中でも、子どもが身近に接し、その育ちを支えている大人の影響が非常 に大きい。そのため、子どもの貧困対策には、子どものサポートという視点だけでなく、 保護者を支えるという視点や、学校教員を支えるという視点など、子どもの支え手を支 える視点が重要である。